音楽レビューVOL.15
人気急上昇中の彼らの1STアルバム。
RADWIMPSといえば野田洋次郎のユニーク且つダイレクトな詩世界が魅力だと僕は思っているのだが、この1STアルバムは今までリリースされたどの作品よりもダイレクトなものになっている。
彼らの楽曲「トレモロ」の歌詞ではないが、人間というものは本当に伝えたい言葉をうまく伝えられない生き物なのである。
その中で言葉をうまく組み合わせ、大衆の気持ちを代弁することのできるのが優れたソングライターなのだと僕は思う。
野田洋次郎はまさにその才能を持ち備えた、超人的なソングライターなのである。
この1stアルバムは主に彼が高校生の時に書かれたものであるためか、どれもこれも初期衝動丸出しの青春ソングとなっている。尚且、後の作品と比べても極めてパーソナルな楽曲が多いことでも印象的だ。理論もくそもない、口からそのまま出てきそうな言葉をダイレクトにポップなメロディーにのせているように感じられる。それでいて「音楽」というパーツとして成り立っているのだから恐ろしい。僕も多少ではあるが作詞作曲の経験があるためわかるが、これは簡単なように見えて実はめちゃめちゃ難しいことなのだ。
野田洋次郎の才能と初期衝動が生み出した、記念碑的青春ポップアルバムと言えよう。